ノーベル物理学賞日本出身のアメリカ人が獲得したことについて

 

今年もノーベル賞発表の季節になりました。(この記事は2021年10月に書いています)
今回、ノーベル物理学賞にアメリカ・プリンストン大の真鍋淑郎・上席研究員が選ばれたということで話題になっています。

 

マスコミの報道を見るとまるで日本人がノーベル賞を獲得したように報道しています、そして総理もお祝いのコメントを発表し益々日本人がノーベル賞を日本の力や支援の下獲得したように見えるというような状態になっています。

 

この話コメントでも既に多く出ていたりするのですが、確かに日本出身の日本名の人にはなりますが、今現在アメリカ国籍を持ってアメリカ国民として生活してる人になるんですよね。

 

別にアメリカ国民であっても日本出身だということで褒めるということは全く問題はないですし誇らしく思ってもおかしくはない話になるのですが、やはり日本から脱出して海外で研究をしていかなくてはいけない状態だったというのは決して喜ばしい話ではないように思えてしまいます。

 

今回の話は偶然その人の経歴がそうだったというだけに過ぎないかもしれませんが個別の話でなく全体として日本は研究者を育てる環境があるのかということに対して心配をしてしまいます。

 

 

研究予算はアメリカ・中国の1/3程度

 

 

研究予算について調べてみると大体のレベルとしてはアメリカと中国の1/3程度の研究をさんとなっているようです。これは確かに少ないとも言えるかもしれませんが GDP差を見るとほぼ GDP に比例しているような状態でもあるかと思いますし、研究予算が少ないとはいってもアメリカ中国につぐ世界第3位。

 

第4位のドイツよりも上回っているという結果も出ていて、決してそこまで異常に悪いというわけではないように思います。

 

確かに以前の日本は中国よりはるか上の GDP 思っていましたしほんの一瞬ですがアメリカに迫るという時期もありましたのでその時期の予算を考えると今はかなり落ち着いたということが言えるのかもしれません。

 

GDP に比例した研究予算が持っているとするのであればそこまで悲観的になるような内容ではないのかもしれません。

 

ただ感覚としてはそれにしては随分と日本の技術力が落ちてきていたり研究予算としても心配な事も多くなってきてるんじゃないかということを感じてしまいます。

 

今でも本気で研究をしたいのであれば日本を出たほうがいいというのはもはや定説となってきてしまっています。

 

研究者としては予算をたくさん出せる方に移った方が良いのは当たり前ですよね。それに自分自身の待遇としても日本で働いていてもとてもまともな給料も支払わないというようなケースも増えているという話も多く出ています。

 

直接的にお金になるもの以外はお金をかけられないというような流れができているということ、ただそれが結果としてそのなかからお金を生むようなものができたり人類に貢献するものが出てくるにもかかわらずそれに関与出来なくなってしまっている。それだけではなく直接的にお金になるような分野すらまともな費用を出せなくなってきてしまっている。

 

もうそこまで問題は起こってきたのではないでしょうか。

 

 

この件についての関連コメント

 

このニュースについて関連するコメントとしてはこのようなものがありました。

 

・政府として“独創的で多様な研究をしっかり支援していくとともに、人材育成など未来への投資を積極的に進めていく”との考えを表明しています。現実は言葉だけの支援で、お金はアメリカ国籍が示すようにアメリカが出しています??防衛費も必要だが、その一割でも研究費に回したらもっと日本のためにもなると思います??

 

・岸田さんには最良のメッセージになりました。是非科学技術予算を4兆円から10兆円規模まで拡大しましょう。必ず経済成長として5年後10年後に返ってきますよ。

 

・戦後の、日本が高度経済成長を迎える前にアメリカに招かれた真鍋氏。それに対して、優秀な頭脳の国外流出だ!と叫ぶ人がいるけど、そう言う時代だったんだから仕方ない。戦後の日本では研究する場所が十分ではなかった。
それを政権の責任にするのはズレてる。
もちろん、今後は国内研究を充実させて、むしろ海外の優秀な研究者が日本に来たがるような環境を作っていくことが望まれる。

 

・国籍はアメリカなのでアメリカ人です。アメリカの功績です。
アメリカは研究を含めて、利権以外にも投資されているのですね。

 

60年代と80年代のあのコンピューター(わたしが生まれてませんが)で、この偉業を成し遂げたことがすごいです。昔家庭用の古いコンピュータをに触りましたが、あの時代でこのようなことをされていたことに驚きです。
今回は日本風のお名前ということで報道されていますが、名前や国籍とか関係なしに偉業を平等に称える世の中であってほしいです。

 

・これダメなやつ日本人としてカウント出来ない、アメリカの研究環境のほうがずっと良いから優秀な人材は流出してしまう、日本の生命線とも言える科学技術の基礎研究に金をかけずに何に金を使う、大学の研究費絞りすぎてる。これは国の予算配分の問題、明らかにここ20年の自公政権の問題、科学技術をおろそかにする国の未来は暗い。

 

・真鍋さんはアメリカ国籍を取得したアメリカ人です。
コンピューター黎明期からアメリカに渡り、その研究を支援したのもアメリカ政府です。
日本出身者だからと言って称賛するのは筋が違います。
今回の受賞対象の研究は、本人曰く「道草」から生まれてもののようですが、現在日本のいる若手研究者にそのような余裕を持った人はどの程度いるのでしょうか。科学技術特に基礎研究についていえば、壮大な構想に基づき息の長い支援が続かないことには、大成しないのは歴史を紐解いても自明のことですが、現在我慢強いパトロンが見当たりません。科学者の方も食つなぐために目の前の研究成果を上げることに血眼になって、大局を見通せないまま惰性で研究を継続しているような気がします。僅かな研究費を獲得する為に提案書の作文に勢力を注力する姿は哀れでしかありませんが、名なり功を挙げた熟練の研究者は、若手研究者の育成にもっと力を発揮すべきです。

 

・ 海外で研究しなくてはならない状況を、改善しないと行けない事案だ。
日本人の方が受賞しているとはいえ、研究する国には、海外。
早急に資金なり、施設なり、研究出来る環境を日本国で提供してほしい

 

このようなコメントが出ていることが確認できました。

 

コメント見るとこの人の時代は日本の高度成長お前の時代なのでアメリカに行って言及せざるを得なかったという時代もあるというような内容もありました。確かにこの方の結果一つをとって日本の研究予算や支援は駄目だということを断言するのはあまり適切ではないかもしれません。

 

ただ全体的な流れとしては日本で今現在研究者になろうとすると損をしてしまうというような状態があるというのは事実だと思います。
ポスドクのような問題、ポストがなくてまともな給料すら得られないというような問題が起こってきてしまっていますし日本で大学に残って研究をするということのリスクはあまりにも高すぎるようになってしまっています。

 

予算は限られているのであればその配分する方法が本当に正しいのかということはもう一度考えなければいけないのかもしれません。