90分講義を受けるのがつらいという学生の話

90分講義を受けるのがつらいという学生の話

 

学生が90分講義を受けるのがつらくなっているという話が話題になっています。
コスパ重視で映画も倍速で見てしまうような時代に90分黙って聞いているのはつらくてオンライン授業も録画であれば倍速にしてしまうということ。

 

これは現代病のようなものにも見えますが、でも実は昔も決して90分の講義が面白くて仕方がないなんてことはなかったのではないでしょうか?
ただみんなが我慢していただけのような気がします。

 

それよりは講義内容をしっかりと理解するということ。そして講義をする側ももう少し学生を楽しませる要素を盛り込むくらいのことは考えるべきだと思います。

 

 

 

授業を変えていくべき

 

授業自体も変えていくべきなのです。
例えば90分間にストーリー仕立てで説明したり、笑いを取り入れたり、ゲームを取り入れてみたりとか。
そうすれば学生だって喜んで聞くでしょうし、またそれをきっかけにして90分の話を聞くことが楽しくなるかもしれません。
もちろんそれは学生だけではなく講師や教授にとってもメリットがあるはずです。
なんと言っても自分が苦労していることを他人には味わわせたくないものでしょうからね。
あとはもっと大事なこととして、学生に大学の授業に興味を持たせることも大事だと思います。
どんな大学でも単位の取得方法は様々で、レポート提出だったりテストだったりとありますが、しかし大学生というのはそもそも勉強すること自体が好きな人が多いのです。だから大学に行くために必死になって勉強するような人はそんなに多くありません。
つまり単位さえ取れればそれでいいと思っている人が大半なのです。
だからこそ興味のない科目の単位を落としてしまったり、逆に簡単に取れると思っていて落としたりするわけです。

 

そういう意味において、ちゃんと勉強しないと卒業できないよ!みたいなプレッシャーを与えるのが一番効くのかもしれません。

 

今の時代、大学の卒業生の割合は95%以上と言われています。
つまり大半の人が大学を卒業しているということになります。
その人たちがせっかく入学した大学でつまずくということは自分の人生の汚点にもなりかねません。
そういう意味では少しぐらい厳しくても、むしろ学生のためになるならそれも一つの方法ではないかなと思う次第です。

 

 

研究ばかりではなく授業にも目を向けてほしい

 

教授も自分の研究だけでなく授業にも目を向けてほしいと思います。授業は研究をするためのおまけのようなもので、自分の趣味的な話に走りすぎている、学生のことを考えていないような内容が多すぎるように思います。
もちろん研究にはお金が必要ですし、そのためにたくさんの時間をかけなければいけないというのも分かります。
ですが、それでもやっぱり学生のことが一番大事ではないでしょうか? なぜならば、それが結果として社会に出てから役に立つからです。
就職活動の時に履歴書に書ける資格がたくさんあった方が有利であるとか、会社に入ってからもその知識を生かして活躍できるというようなスキルを身につけることが一番大事なのではないでしょうか? ですから授業もしっかり受けていてほしいですね。
私のゼミ生の中には、今年になって初めて卒論を書くようになった人もいました。
そういう人たちは本当に大変だったみたいです。
確かに私は厳しいことを言ってしまうところがありますし、嫌われているところもあるかもしれませんが、それは全部皆さんのことを思って言っているつもりです。ですのでぜひとも私が言っていることを参考にしてほしいと思っています。

 

学生は授業を聞くのを目的としているのではない

 

学生は授業を聞くのを目的としているのではなく単位を取るのが目的。そういう目的の違いもあるでしょう。私も学生時代、自分で選んだ教科の試験は毎回必ず受けていましたが、選択していた外国語に関しては2度ほどしか行っていませんでした。英語も苦手だったのですが、さすがに3度目の正直ということで頑張って受けた記憶があります。
このように自分にとって不得意な科目こそ、しっかりと出席しておくべきだと思うんですよね。やはり苦手だとなかなか集中できませんし、仮に集中して話を聞いていてもあまり頭に入ってこないものです。ですからそういった苦手な科目についてはきちんと出席して理解を深めておく必要があるかと思います。

 

そして他の得意科目についても予習復習をやっておくことで単位を落とすリスクを減らすことができます。
また、最近はオンライン講義などもありますので、そちらを利用するのも良いでしょう。
私としてはできるだけ多くの時間を学問に費やしてほしいというのが本音です。
世の中に無駄な時間は存在しません。なので自分に与えられた時間を最大限に活かすことができるよう努力することが大切だと思います。
今回は学生たちにとって面白いと思えるような授業作りについて考えてみました。
私自身まだ若いということもありますが、おそらくあと20年もしないうちに定年を迎えます。そうなると当然それまでの間に教育に関する仕事ができるのも最後になります。そう考えると非常に貴重な体験をしているんだなと思わされます。

 

 

大学の目的の学生の目的がずれてしまっている

 

大学の目的の学生の目的がずれてしまっている。これも問題です。
優秀な大学でも就職のための通っている人達がほとんどです。そう考えれば何のためにそこにいるのか分からなくなってしまいますね。
そこでまずは何のために大学があるのかを考えてみる必要があると思います。
そもそも日本の学校教育の目的はなんだったのかを考えなければなりません。この日本とは明治時代からの学校教育を指しています。大正時代までは義務教育がありましたし、昭和時代には国民学校というものがあり、さらに戦後においては小学校や中学校などの義務教育制度が存在しました。しかし第二次世界大戦後にGHQによる占領政策が行われ、学校は軍国主義化していくことになりました。つまり戦前の日本では国民全員に教育を受けさせる義務があったということです。
しかしながら戦後の日本において、現在におけるような教育への情熱が失われてしまう原因となったことがあります。それは第二次世界大戦時の敗戦によって経済力が大きく衰退してしまったことです。それによって子供たちの教育費が非常に高額になってしまったのです。そのため貧しい家庭では子供を学校に通わせることができなかったり、塾などに行かせることすらままならないという子供も多くいたそうです。そうした経緯もあり、戦後は学力低下が顕著となってしまいました。これは今もなお尾を引いており、今でも特に私立校などは低収入層に対して門戸を狭めていますよね。
これが戦前であれば貧乏な家であっても子供は全員学校で勉強できたはずです。けれども現在ではそうではありません。だからこそもう一度原点に立ち返って考えてみる必要があります。
どうして私たちは大学に行くのでしょうか?もちろん高校までと違ってより専門的なことを学べるからという理由はあるでしょう。あるいは高卒で働いている人よりも良い会社に勤められるからという理由で進学する人もいるかもしれません。ですがそれ以外にも何か理由があるはずです。
例えば大学で学ぶことは将来どんな職業に就いても役に立つことだからです。例えばIT系の仕事をしている人にとってはプログラミングを学ぶことは非常に重要なことではないでしょうか?もしこれからプログラマーを目指すのであれば大学で基礎からしっかり学んだ方が良いですよね。他にも弁護士になりたい人や医師を目指したい人なども大学の医学部に進学するのは理に適っています。医学の知識があれば人の命を救うこともできますし、お医者さんになればたくさんの人を救えますよね。だから将来のことを考えたら大学の学部を選ぶのは当然です。逆に法学部に進んだのに法律の仕事に就かない人はどうかしていると思いますよ。