面接で志望動機を聞くのは良くないこと?意味がない?
就職の面接では志望動機を聞くというのは当然のこととなっています。
でも志望動機を聞いて本当のことを話してくれるという人はどれくらいいるものなのでしょうか?
本当に凄い企業であれば、その企業を目指して研究してくる人もいるとは思いますが、大半の企業、特に中小企業や業界下位企業については、第一志望等ではなく、なんとなく受けにきている、受験の滑り止めのような意味合いで受けに来ている人も多くいるはずです。
こんなツイッター発言が取り上げられているのを見つけました。
面接で「志望動機を聞く」っていう空虚な茶番がなくなるだけで、就活生と転職者の負担はだいぶ軽減されると思うよ。突き詰めた理由なんて「お金が欲しい」くらいだし。
応募倍率数百倍超の人気企業ならまだしも、代わりがいくらでもあるような会社が「なぜ当社なんですか」なんて自惚れでしかない。— ブラック企業アナリスト 新田 龍 (@nittaryo) September 6, 2021
これは確かにその通りと言える部分はありますよね。
志望動機を求める流れというのは果たしてどうなのでしょうか?
建前の話になってしまっている部分はある
確かにこの志望動機というのはかなり微妙な話になってしまいます。
特に新卒就活の場合、学生は本当に入りたい会社だけを受けるわけではありません。
新卒一括就活の特性上、大量の会社にエントリーしなければ合格率を考えるととても突破できないということになってしまいます。
本当であれば業界をよく研究して、その会社のことをよく調べて本当に入りたいと思う会社を受けるべきですが、そんなことをやってる時間を与えてくれませんし、まだ働いたことのない学生がどこまで本当に志望しているのかというのは怪しいものが多くなってしまいます。
就活の場は建前論が多くなってしまい、本当はたいして志望しているわけでもないのにさもそれっぽいことを言ったもの勝ちになり、入ってみたらミスマッチだったなんてことがたくさん起こっているように思えます。
こういうときに建前の話ができるかが大事、社会人としての適性を見るという考え方もできるとは思いますが、無理やり話を作って本音でもない志望動機を話してその会社への入社を決めるというのはナンセンスだとも思ってしまいます。
給料や働く場所で決めてはいけないのか?
面接の場で給料であったり、勤務地であったり、福利厚生が良さであったりというような実際のメリット部分について話をすることもあまり良いとされていません。
でも本当の志望動機がそうであった人はどうするのでしょうか?無理やり嘘の志望動機を作ることになりますよね。これもやや微妙な話になってきてしまいます。
志望動機がない人、給料だけに惹かれてくる人は入社させたくないということもあるとは思いますが、中小企業の仕事になればなるほど、働く内容に意味を持たせることが難しくなるようにも思えてしまいます。
本当はその会社に熱意がある人を採用するのが一番でそのために志望動機を聞いているのでしょうけど、会社業態的にそんなにその会社が一番なんて人が都合よく現れないところも多いでしょう。
説明会を開いた上であれば話は別になる
会社の説明会を事前に開いた上で志望動機を聞くというのであれば、また話は変わってくるかと思われます。
説明会の理解度を試す意味での質問としては役に立つかもしれません。
事前に話をしておいた上で、その内容についてどう思ったか、志望度はどうなのかということで聞くと話し方もまた変わってくるでしょう。
賢い企業なのか、だんだんと面接を繰り返すうちに志望度が高まる工夫をしているようなところもあります。面接という場で採用可否を見てはいながらも、面接相手を取り調べするようなやり方ではなく、説明をしながらというような方法でマッチング度を測っているようなイメージです。
中小企業で相手の志望度を聞いても、最初から高くてその会社だけをピンポイントで受けているわけはありません。それであれば会社側から説明をして情報を多く与えて、その結果を受けてどう思ったかというのをヒアリングしていく雰囲気の方が、和やかにかつその人の本当の考えというのを聞けるでしょう。
ある程度は現実的な方向性を向いてもいいのでは
志望動機であったり、実際に働いたらどうなのかというところを見ていくのにもっと現実的な内容を抑えてその上でお互い納得して決めるような仕組みが取れないかとは思うところがあります。
どうしても志望動機はその会社で働いたことがない人が語る動機になるので、夢物語的な話が出てきてしまいます。夢が大きいのはいいですが、本当にその会社に入ってできるかもわからないような話をして、それで採用した結果現場の仕事の全く違って、ミスマッチで辞めることになる。そういうことを防ぐ工夫があってもいいように思うのです。
説明会は都合のいいことばかり、かつかっこいいシーンを紹介し夢を与える。学生側も夢のある話を繰り返し、模範的な志望動機を作り上げる。この結果の採用が本当にいいのかというところには疑問を感じるところはあります。
そうはいっても、他社との競合もありますし、現実的な話をすればするほど学生は逃げてしまいますので難しいところもあるのでしょう。
一番はもっと知る機会を与えること
学生側も会社側も一番いいのは、お互いをもっと知る機会を与えることです。
会社側がどんなことをやっているのか、どのような仕事があるのかを知る機会が極めて少ないと感じています。
昨今ではインターンシップも流行ってきているので従来よりは会社の中を知る機会は増えてきたのかもしれません。この流れはもっと加速させるべきですね。
インターネット等でも会社の中をよく調べられるような仕組み等もあってもいいと思います。会社情報紹介サイト等はどの会社も作っているところは多いですが、もっと宣伝レベルではないような実際の流れがわかる仕組みがあってもいいでしょう。
会社の中を一度も見たことがないのに雰囲気だけで志望動機を作り、雰囲気だけで決まってしまう。それが新卒採用となってしまっていて、それではミスマッチが起こるのも当たり前なのです。
いきなり志望動機を聞いてもそれは無理やり作られた茶番になってしまいがちです。会社側もそういう聞き方ではなくまずは知ってもらって、そこからお互いフランクに話し合う、そういう流れができれば良いと考えます。